サービスアパートメント

海外で生活して初めて知ったことの1つにサービス・アパートメントがある。文字通り、掃除やリネン交換などの「サービス」がセットになったレジデンスのことで、簡単に言えば、長期滞在用のホテルである。

この形態のレジデンスは新興国で主に普及していて、かなりの数がある。大きいブランドで言えば、キャピタランドの運営するSomersetやCitadinesが有名だけど、ローカル企業も多く手掛けていて、バリエーションは豊富だ。

すでに産業として確立されているので、サービスは標準化されている。清掃・リネン・タオルが基本セット。さらに、ランドリーや朝食やウォーターサーバーなどを加えることができる。基本セットも頻度によって価格が異なる。ここら辺がフルサービスのホテルと違うところ。部屋のレイアウトや家具調度品も、短期向けのホテルとは違って、長期で暮らしやすいデザインが多いよう見える。もちろん、家具家電付きである。

もちろん普通の分譲レジデンスを賃貸するよりは当然高い。ただ、サービス付きの暮らしは本当に快適で、一度体験すると戻れない。家事をやらなくて良いというのは時間を買うことに等しく、単身者も家族連れも一様に生活にゆとりが生まれる。特に家族でSAに住むと、夫婦喧嘩が大きく減る、と聞く。

そこで思うのが、なぜ日本にSAが普及しないのか、ということだ。超都心部の富裕層向けには、このようなレジデンスがあるわけだが、もう少し実需層向けがあってもいい。いまSAを真に求めているのは共働き世帯だが、彼らは世帯年収もそれなりにあるわけで、立地は悪いが廉価なSAを作ればニーズがあるのではないかと思う。

  • 持ち家志向、特に不動産取得のメリットが大きい
  • 家具家電付きという居住スタイルがない
  • 部屋の中に他人を入れることへのアレルギー

こんなところがネックなのだろうか。今後の居住不動産のイノベーションは、「サービス」にあると確信している。

2020-03-30 / 2020-04-11 / Pretty Things